窓辺のレモンティ

社会人となり数年。今この瞬間、自分を生きるために。

数え切れない一人一人の物語。

 先日の記事にも書いた村上春樹さんの「アンダーグラウンド」(地下鉄サリン事件の被害者62名へのインタビュー集)について。

 

 

 おそらくテレビや新聞の報道だと「被害者(関係者)」と一括りにされてしまい、個人としての実態が浮かび上がってこないところがあると思う。でもこの本を読むと、一人一人が個人としてくっきりと浮かび上がってくる。偶然にもあのサリン列車に乗り合わせた人々、被害にあわれた方々、個人個人がその瞬間に何を感じ、何を思い、どんな行動をとっていたのか。その人はどんな人生の物語を持ち、その日を生きていたのか。

 

 当然なのだけれど、「一人一人に様々な背景やストーリーがあって、それぞれが深く濃い人生の物語を持っている。」ということを改めて強く意識させられた本でもあった。

 

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 私は自分の先祖に思いを馳せた。祖父母の父母、そのまた父母…と考えるだけでも果てしないが、その一人一人の人生に、数々の喜びや幸せ、悲しみに苦労、奇跡や偶然など、とてつもない物語があって今私がここにいる。

 

 私は今まさに、自分の物語を紡ぎながら人生を歩んでいる。

 

 そしていつか私がいなくなった後も、またいくつもの物語が語られていくのだろう。その中でまた私のような子が誕生したとき、「あぁ、私たちのご先祖様もきっとたくさんの物語を持って生きていたんだろうな。それで今の自分があるんだ。今はもう知ることはできないけれど、どんな物語だったのだろう?」と私たちに思いを馳せてくれることがあるのかもしれない。そんなことを思う。