窓辺のレモンティ

社会人となり数年。今この瞬間、自分を生きるために。

いのちとは、瞬間瞬間で無条件に爆発させていくもの。

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 太陽の塔や「芸術は爆発だ」という名言でも知られる岡本太郎氏。彼の著書「自分の中に毒を持て」を読んだ。タイトルは知っていたのだが今まで読んだことはなかった。書店で偶然見つけて何だか惹かれるものがあり、購入したのだ。

 

 読みながら、私はビックリしてしまった。とんでもなく感銘を受け、彼の生き方や生きる姿勢に少なからずショックも受けた。こんなにも自分の生きる筋を貫いて、瞬間瞬間をほんとうに生きた人がいたのか。目を開かれる思いがし、自分にも力がみなぎってくるように感じた。

 

 実はこの本、最初に出版されてからもう30年近く経っている。しかし少しも色あせないどころか、今の私たちに驚くほど突き刺さる内容だと思う。かえって重要性が増していると言っても良いかもしれない。この本について語りたいことは多くあるのだけれど、まずは「いのち」や「生きることそのもの」について書いてみたいと思う。

 

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 私は病気を経験したこと、それから社会に出て覚えた強烈な違和感をきっかけに、「自分はこのままでいいのか」「どう生きたいのか」と自分の生き方を問うようになった。と同時に「生きるとはどういうことなのか」を考えていた。そんな私に、岡本太郎氏は一つの重要な考え方を示してくれた。

 

生きるというのは、瞬間瞬間に情熱をほとばしらせて、現在に充実することだ。

 

ぼくは朝から夜まで、まる一日、絵を描き、文章を書き、彫刻にナタをふるう。全部まったく無条件に自分を外に向かって爆発させていく営みだ。この瞬間に、無条件な情熱を持って挑む。いのちが、ぱあっとひらく。それが生きがい。瞬間瞬間が新しい。

 

自信はない、でもとにかくやってみようと決意する。その一瞬一瞬に賭けて、ひたすらやってみる。それだけでいいんだ。また、それしかないんだ。

                       出典:いずれも「自分の中に毒を持て」(岡本太郎 著)

 

 これまで、生きるとはどういうことか、その意味や目的について考えてみたり、頭で理屈をこねくり回したりしていた。けれどそうではなくて、心が行きたいと感じる方に賭け、没頭する。今この瞬間瞬間で爆発する。見返りも目的もなく、無条件に爆発していくもの。それが本来のいのちのあり方であり、生きることなのだ。これは私にとって前提がひっくり返るような発見だった。でも同時に「そうか、そうだよな」とひどく腑に落ちる思いがした。

 

 例えば花がどのように生きているか、咲いているかを考えてみる。相田みつをさんの「花はただ咲く、ただひたすらに」という詩が思い浮かぶ。

 

 花は、何か打算的に考えたり、計画や戦略を練って生きているわけではない。意味や目的なども無く、また人から見られているかどうかも関係なく、胸を張ってぱっと開き、ひたすらにいのちを爆発させているだけだ。その姿は、岡本太郎氏の言う生きる姿そのものではないかと思った。人間であっても植物であっても、同じいのちの表現であることには変わりない。

 

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 「芸術は爆発だ」という名言についても、私は全く誤解していた。芸術作品の表現方法について発言したものかと勝手に思っていたのだけれど、とんでもない勘違いだった。

 

ぼくが芸術というのは生きることそのものである。人間として最も強烈に生きる者、無条件に生命をつき出し爆発する、その生き方こそが芸術なのだということを強調したい。      出典:「自分の中に毒を持て」(岡本太郎 著)

                       

 また私は、爆発という意味も取り違えていた。何だか「爆発」というとドカンという大きな音とともにあらゆる物が木端微塵に砕け散り、周囲を破壊するようなイメージがある。しかし岡本太郎氏の言う爆発は「音もしないし、物も飛び散らない」という。

 

全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが「爆発」だ。人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。いのちの本当のあり方だ。         出典:「自分の中に毒を持て」(岡本太郎 著)             

 

 私もこんな風に生きたいと強く思う。いのちとは本来、無償、無目的、無条件に、その瞬間で爆発していくものなのだ。それだけでいいんだ。また、それしかないのだ。それが今を生きることであり、ほんとうに自分を生きることでもある。生きるということに悩んでいた私にとっては、大きな手がかりとなった。読後の今は理解できたように感じ、一種の悟りの境地に入っているらしい私だが、問題はこの後だ。今の感動を忘れないようにしたい。